2010年 10月 15日
バランスをとる事は難しいですが。
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ペットが慢性的な病気(心不全や腎不全など)になると
一生涯お薬を飲ませる必要があったり
点滴をし続けなければならなくなることがあります。
しかし、病気であっても食欲がありお薬を飲んでくれているうちは良いのですが
薬の効果が次第に薄れ、食欲がなくなり
やがて終末にさしかかってくる時期が訪れると
飼主さんとしても、それからの治療をどうしたら良いか迷うことがあると思います。
動物は食欲がなくなると、自分からはご飯を無理して食べる事は決してしません。
食べなければ弱りますから
場合によっては強制的に口の中へ食餌を入れ込む作業が必要です。
あるいは、毎日注射で水分補給をして体の脱水を防がなければなりません。
こんな時、多くの飼主さんの気持ちとして、
「なんだか、治療を続ける事が本当にこの子のためになるのか?」
「毎日、注射されてかわいそう」
「病院にいく時間になると、どこかに隠れてしまう」
といった、治療に対しての不安や自分自身への心の葛藤が多くなります。
では、どうしたら良いかという「答え」はあるのでしょうか?
難しい問題です。
ペットは治療してほしいとは言いませんし、してほしくないとも言いません。
飼主さんが「感じ取る」しか、すべがないからです。
もちろん、私なりの治療に対する考え方はありますが
迷いや悩む事もしばしばです。
ヒューマンアニマルボンドという言葉が聞かれるようになって久しくなります。
獣医療において、私は、ペットを治療する事は
飼主さんの気持ちも同時に請け負うことだと思っています。
ペットの終末医療、皆さんも考えてみてください。
by yamase_vet
| 2010-10-15 10:23
| 徒然の記