2011年 01月 11日
椎間板ヘルニアにご注意下さい。
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寒くなって、足腰に負担がかかるのか
椎間板ヘルニア(らしき症状も含めて)を発症するワンちゃんが
ここ最近多く見受けられます。
ほとんどが、「どこか触ると痛がる」
「抱こうとしたらキャンとないてうずくまって動かない」
といった症状が多いのですが
この場合は痛み止めのお薬と安静にすることで、ほとんどが快方に向かいます。
しかし、中には「両方の後肢が全く動かない」といった
いわゆる麻痺の状態になることがあります。
このような時は緊急を要しますので、できるだけ早く受診してください。
病院では、一般的な身体検査、そして神経学的検査を行いながら
椎間板ヘルニアが疑われるかどうか診察します。
特に罹りやすい犬種(ダックスフンド、ビーグル、シーズーなど)や年齢といった情報も大切です。
症状がひどい(いわゆる麻痺の状態)場合は、外科手術が必要です。
原則的にはその日のうちに
椎間板ヘルニアが脊椎のどこの場所で起きているのか調べる
「脊髄造影検査」を行います。
ヘルニアを起こしている椎間板によって造影剤の流れが変化しますので
その情報を元に手術を計画します。
それでも有用な情報が得られない場合は、CTやMRI検査を行うこともあります。
造影検査が終了したら、引き続き、
ヘルニアをおこして脊髄を圧迫している椎間板物質を取り除く手術を行います。
術後は、数日入院していただき、看護にあたります。
治るか治らないかは、症状の程度
発症してからの時間の経過などにより左右されますが
出来るだけ早い対応によって回復の見込みは増すと思われます。
【写真1】 2日前から両方の後肢が麻痺してしまった子の第2から第3腰椎のレントゲン写真。特に異常が認められません。
以下続きますが、手術部位の写真があります。
【写真2】 脊髄造影検査後の写真1と同じ部位のレントゲン写真。前後の椎間板上の造影剤の写りに比べて、薄くなっているのがわかります。つまり、ここの場所で脊髄が圧迫されていることが疑われます。
【写真3】 角度を変えて撮影したレントゲン写真。写真2よりさらにはっきりと脊髄が片側から圧迫されているのが分かります。
【写真4】 実際の手術所見です。脊椎を削って脊髄を露出したところ、レントゲンで写っていた所見通り、椎間板が逸脱し脊髄を圧迫していました。
【写真5】 手術後の写真です。飛び出た椎間板を取り除くことで、脊髄の圧迫を解除しました。
この子は2日前から麻痺していたため、治るかどうか心配していましたが
幸い手術後5日目から歩行が可能になり
翌週には普段の生活に戻ることが出来ました。
山瀬 新悟(Shingo YAMASE)
椎間板ヘルニア(らしき症状も含めて)を発症するワンちゃんが
ここ最近多く見受けられます。
ほとんどが、「どこか触ると痛がる」
「抱こうとしたらキャンとないてうずくまって動かない」
といった症状が多いのですが
この場合は痛み止めのお薬と安静にすることで、ほとんどが快方に向かいます。
しかし、中には「両方の後肢が全く動かない」といった
いわゆる麻痺の状態になることがあります。
このような時は緊急を要しますので、できるだけ早く受診してください。
病院では、一般的な身体検査、そして神経学的検査を行いながら
椎間板ヘルニアが疑われるかどうか診察します。
特に罹りやすい犬種(ダックスフンド、ビーグル、シーズーなど)や年齢といった情報も大切です。
症状がひどい(いわゆる麻痺の状態)場合は、外科手術が必要です。
原則的にはその日のうちに
椎間板ヘルニアが脊椎のどこの場所で起きているのか調べる
「脊髄造影検査」を行います。
ヘルニアを起こしている椎間板によって造影剤の流れが変化しますので
その情報を元に手術を計画します。
それでも有用な情報が得られない場合は、CTやMRI検査を行うこともあります。
造影検査が終了したら、引き続き、
ヘルニアをおこして脊髄を圧迫している椎間板物質を取り除く手術を行います。
術後は、数日入院していただき、看護にあたります。
治るか治らないかは、症状の程度
発症してからの時間の経過などにより左右されますが
出来るだけ早い対応によって回復の見込みは増すと思われます。
【写真1】 2日前から両方の後肢が麻痺してしまった子の第2から第3腰椎のレントゲン写真。特に異常が認められません。
以下続きますが、手術部位の写真があります。
【写真2】 脊髄造影検査後の写真1と同じ部位のレントゲン写真。前後の椎間板上の造影剤の写りに比べて、薄くなっているのがわかります。つまり、ここの場所で脊髄が圧迫されていることが疑われます。
【写真3】 角度を変えて撮影したレントゲン写真。写真2よりさらにはっきりと脊髄が片側から圧迫されているのが分かります。
【写真4】 実際の手術所見です。脊椎を削って脊髄を露出したところ、レントゲンで写っていた所見通り、椎間板が逸脱し脊髄を圧迫していました。
【写真5】 手術後の写真です。飛び出た椎間板を取り除くことで、脊髄の圧迫を解除しました。
この子は2日前から麻痺していたため、治るかどうか心配していましたが
幸い手術後5日目から歩行が可能になり
翌週には普段の生活に戻ることが出来ました。
山瀬 新悟(Shingo YAMASE)
by yamase_vet
| 2011-01-11 09:54
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